一日限りの知床レストラン【報告】
- 2014.11.7
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11月1日、知床自然センターで開催された『知床国立公園50周年シンポジウム』にて“知床食材を使用したフレンチブッフェ” の料理をイオマンテが担当させていただきました。
今日はその模様をご報告したします。
イオマンテの活動史上、ケータリングとしては最果ての土地(笑)
『知床世界自然遺産』 そのど真ん中で私どもは“知床産食材のフレンチブッフェ”という大切なお仕事を、光栄にもご指名いただきました。
以前に斜里町での「エゾシカ料理教室」の講師として呼んでいただいた御縁があり、知床の大自然を管理・調査している知床財団さんに、事前準備や食材調達などご協力いただいての、
大自然を感じながらの『一日限りの知床イオマンテ』
僕らは3名の精鋭部隊(?)で前日入りし、仕込みを始めます。 「エゾシカ」はもちろん、「羅臼昆布」や「鮭」、「小麦」や「ジャガイモや玉ねぎ、カボチャなどの野菜類」、知床の山の中に自生する「木の実」も大切な食材です。
使用する厨房や会場は、通常は自然センターに来館する観光客らの軽食・休憩スペース。そこを、この日のためだけに、知床財団さんのスタッフ総出で、一夜でレストラン仕様に。
イオマンテスタッフも予定より時間を押しての仕込み作業をしました。(知床は釧路より夜の帳が下りるのが早い)
当日は朝早くから準備を始めます。
僕らも、最初は慣れない環境でしたが、徐々にいつものペースで料理を仕上げていきます。
世界自然遺産の知床の山中に、一日だけのレストラン。準備が着々とすすみ、テーブルのスタンバイも整います。
今回提供した料理は、
『ウトロ産鮭と羅臼昆布のテリーヌ、山わさびのクリームソース』
『斜里町産玉ねぎと斜里産小麦のキッシュ』
『羅臼産イカのトマト煮 カボチャニョッキ』
『エゾシカ肉のロースト コクワと山ブドウのソース』
など
斜里産の男爵いもの“ドフィノア”も、大人気でした。(財団の皆さんにも(笑))
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定員より多い、約70名様のご来店。
一般のお客様の許可はいただいていないので、画像は載せられませんが、僕らスタッフとも調理方法や、素材の話を楽しんでいただけたと思う。みなさんの食事後のお皿が本当に綺麗で嬉しかったです。
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いつも僕らは釧路で釧路の食材をつかって料理をしています。
今回も料理名は“テリーヌ”や“キッシュ”、”ロースト”といつもと同じ
しかし、料理している時、なぜか、明らかに『いつもと違う料理』という感覚でした。
土地が変われば、同じようなものでも少しずつ何かが違う。
正直にいうと、絶対な自信があった鹿肉の火入れでさえ、少し手こずりました。
同じ料理、同じ素材でも、土地が変わるだけで、釧路には釧路の着地点があり、知床ではまたちがう知床の着地点がある。それが、地元素材がもたらす「その土地らしさ」なのだろうと感じました。
この知床での経験は、「釧路で料理をつくるという事の意味」をも、あらためて再認識することとなり、そして新しいことへチャレンジする経験は、参加したスタッフにとっても貴重なものでした。
『シンプルに言うと 楽しかった(笑)』
ご来店いただいたお客様、食材を提供いただきました皆様、本当にありがとうございました。
シンポジウム終了後、知床財団の皆さんと。
今回の2日間で一番驚いたのは、シンポジウム終了後の雑談時。
『クマが出た!』という一報に、財団の皆さんがまったく動じず、試食用のドフィノアを食べてたことでした(笑)